「猟奇の果」
昭和5年1〜12月「文芸倶楽部」第36巻1〜12号
明智小五郎
その時、先ほどちょっと名前の出た明智小五郎が、いつもの荒い棒縞の浴衣を着て、変に肩を振る歩き方で、窓のそとを通りかかった。彼は私に気づくと会釈をして中へはいってきたが、冷しコーヒーを命じておいて、私と同じように窓の方を向いて、私の隣に腰かけた。そして、私が一つのところを見詰めているのに気づくと、彼はその私の視線をたどって、同じ向こうの古本屋をながめた。しかし、不思議なことには、彼もまた、いかにも興味ありげに、少しも眼をそらさないで、その方を凝視し出したのである。
「D坂の殺人事件」 大正14年1月「新青年」
その後の彼の活躍が知りたいかたはこちら
芦屋暁斎
「幽霊塔」
昭和12年1月〜13年4月/「講談倶楽部」
鮎沢賢一郎
「影男」
昭和30年1月〜12月/「面白倶楽部」
有村 清
「大暗室」
昭和11年12月〜13年6月/「キング」
アルセーヌ・ルパン
「黄金仮面」
昭和5年9月〜6年10月/「キング」